伊東達矢校長ブログ

2025.04.22

自分で考える子

 休み時間になると、1年生たちがこぞって校長室にやってきます。
 入室を8人までにしているのですが、小さな1年生たちが次々に入ってきて、たちまち20人ぐらいになってしまいました。勝手知ったる常連の子が「満員だよ」と言って、扉に札を掛けるのですが、もうその時点で部屋は1年生でいっぱいです。
 「さあ、8人よりも多くいますけど、どうしますか」とわたしが尋ねます。
 みんなお互いの顔を見ながら、もじもじしています。
 「どうしたらいいか、考えてみてください」と促すと、一人の子が手を挙げました。
 「じゃんけんして決めよう!」
 小さなお友だちは一斉にじゃんけんをします。
 「最初はグー、じゃんけんぽん!」「あいこでしょ」「あいこでしょ」…。
 20人もいますからなかなか決まりません。
 するとその子がまた言いました。
 「グーとパーで決めよう!」
 これはいい考えです。
 でも続けて、「パーを出した子が校長室に残れるんだよ」と付け足してしまいました。
 「グとパで揃い!」
 案の定、全員がパーを出しました。
 その後、ペアを見つけてじゃんけんをして、勝った方が残ると決めましたが、その間に新たにやってくる子がいたり、勝ったけど自主的に抜けていく子がいたりして、結局はなんとなく8人ぐらいが残るということになりました。
 こういう光景を見ていて思うのは、子どもたちは集団の中でどう他者と折り合いを付け、どう物事を進めるか、毎日学んでいるということです。子どもたちにどうしたらいいか考えさせるためには、大人は指示をしてはいけません。アドバイスはかまいませんが、「こうしたらうまくいくよ」という解決策を与えると、子どもはいつまでも指示を待つようになるでしょう。
 自分で考えることのできる子、自分で決めることのできる子、自分で伝えることのできる子に育つには、大人は助言者に徹し、歯がゆくても見守るようにすることです。転ばぬ先の杖をぐっと我慢して。

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