伊東達矢校長ブログ
2024.12.25
良いお年を
12月23日。翌日からの冬期講習を受ける子どもたち以外は、この日が年内最後の登校日です。
朝、昇降口で1年生の男の子がお友だちに声を掛けていました。
「よいおとしをー!」
うれしそうに何度も言います。それに対してお友だちから、
「『良いお年を』は帰るときに言うんだよ」
と突っ込みが入ります。
それでもめげずに「よいおとしをー!」と繰り返すその子の姿は微笑ましい限りです。
きっと覚えたての歳末の挨拶言葉だったのでしょう。いつもの「おはよう」の代わりに「良いお年を」と言ってみたかった気持ちがよくわかります。新しい言葉を覚えた子どもは、それをすぐ使おうとするものですから。
大人の世界では、毎年「新語・流行語大賞」が話題になります。今年の年間大賞は、民放のテレビドラマ「不適切にもほどがある!」を略した「ふてほど」でした。トップテンにはほかに次の言葉が選ばれました。
「裏金問題」「界隈」「初老ジャパン」「新紙幣」「50-50」
「Bling-Bang-Bang-Born」「ホワイト案件」「名言が残せなかった」
「もうええでしょう」
これまで知らなかった言葉に出会う。新しいことに挑戦する。そうした経験の積み重ねで人は成長します。いま冬期講習を受けている本校6年生にとって、初体験となる中学入試の一日一日は、精神的に成長する足がかりになるはずです。
年齢を重ね、曲がりなりにも社会経験のある大人の目には、日々新たな発見をしている子どもたちの姿は新鮮に映ります。そして、人間いくつになっても成長できるものだと気づかされます。
大正から昭和にかけて活躍した児童心理学者で、上皇さまの教育係を務めた倉橋惣三はこう述べています。
育ての心は相手を育てるばかりではない。それによって自分も育てられてゆくのである。我が子を育てて自ら育つ親、子等の心を育てて自らの心も育つ教育者。育ての心は子どものためばかりではない。親と教育者とを育てる心である。(『育ての心』1936年)。
親も教師も、子どもの養育と教育を通し、より成長していくことができるのです。
伊東 達矢
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