伊東達矢校長ブログ
2024.06.27
ストレス、ありませんか
人間関係がうまくいかないと、強いストレスを感じます。子どもも同じです。友だちとうまくコミュニケーションをとれないと、ストレスをかかえることになります。子どもの様子を観察することは、ストレスのサインを見つける一つの手です。
サインの一つに身体の不調があります。典型は腹痛です。胃腸は自律神経の影響を受けやすく、食欲がわかなかったり、下痢や便秘を繰り返したりします。アトピー性皮膚炎がある子は、ひどいかゆみや、じんましんが出ます。おねしょをしたり、朝起きられなかったりというのもストレスのサインの可能性があります。
心の不安が現れることもあります。急に怒りっぽくなったり、すぐに泣き出したり、しょんぼりしたり。また、何度も手を洗わないと気が済まなかったり、赤ちゃん返りをして甘えてきたり、攻撃的になったりします。
かつて高校の教員をしていたとき、つかみ合いをする高校3年生の男子生徒に出くわしました。双方とも頭に血が上っています。まだ若かったわたしは、「まあ、甘い物でもなめなさい」と、ポケットに入れていたあめ玉を二人の口に放り込みました。あめをなめながらいがみ合うというのは様になりません。二人は「なんなんだよう」という不満そうな顔をしつつも、とりあえずお互いの手を離しました。
けんかの原因は忘れてしまいましたが、きっと受験勉強のストレスがあったのでしょう。わたしは双方の言い分を聞きはしましたが、どっちが悪いとか、これからは仲良くしろとかは言いませんでした。
この国では、2023年に513人の小中高生が自死しています。若年層の死因1位が自殺というのが現代日本の実情です。その主な原因は、日常生活のストレスにあります。高ストレス社会で、パワハラ、セクハラ、カスハラなど、ハラスメントが問題になるのもうなずけます。
大人がストレスをかかえたまま子どもと接すると、子どもにもストレスがたまります。
ストレスの原因が人間関係にあるようなら、悩みを放置するのはよくありません。慢性化すれば、適応障害やうつ状態になることもあります。
学校に限らず、性格の異なる多くの人が集まるところには、反りの合わない人がいて当然です。最初は気の合わないと思った人と意気投合することもありますが、無理をして仲良くなろうとしてストレスをかかえてしまうくらいなら、適度に距離を置くことは大切な生きる術です。ここで言う距離とは、空間的な距離だけでなく、時間的な距離も指します。
友だち作りに悩む子に、わたしはこう言っています。
「友だちがたくさんいるからえらいわけじゃありません。何万人いたとしても、その全員のことを知るのはむずかしいでしょう。友だちは自分のファンとは違います。お互いのことがわかっていて(わかっている気になって)、時には耳の痛いことも言い合える、そういう信頼関係があると思えるから友だちなのです。たくさん作ろうとしなくたっていい。親友と友人と知人、3人いればじゅうぶん。家族は別ですけれどね」
友だちを100人作ろうとして、それがかえってストレスになるのなら本末転倒です。
伊東 達矢
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