伊東達矢校長ブログ
2024.02.26
どうして大人は子どもの成長に感動するのか
久しぶりに孫に会ったおじいさんが、「大きくなったね」と目を細める光景はよくありそうです(中学生ぐらいになると、「小さくなるわけねえし」と憎まれ口をたたく孫もいるかもしれませんが)。いっぱしの口をきくようになった子どもに、親は幼かった子の姿をなつかしく思い出します。
先日、学校祭を催しました。1・2年生の劇、3年生の合奏、4年生の英語による発表、5・6年生の合奏や合唱を保護者の方々とともに鑑賞し、わたしはとても心を動かされました。
子どもたちの発表に感動するのは、プロの上手さに感動するのとは違います。できなかったことができるようになった子どもの姿に感動するのです。
子どもには、できなかったことをできるようにする機会が毎日のようにあります。初めて寝返りが打てた、立って歩いた、自転車に乗れた、逆上がりができた、九九が言えた、漢字を覚えたなど、できたという体験を重ねて子どもたちは成長します。知識や技能だけでなく、自分のしたいことと人のしたいことを考えて行動できること、集団の中で自分がどんな役割を果たせるかを考えられるようになることなど、コミュニケーションの取り方を身につけることも成長の一つです。そしてその成長が子どもたちの可能性を示しています。
子どもたちそれぞれの成長には差がありますし、学齢によっても目指すべき成長の目途は異なりますが、どの子も学びを通して必ず成長します。その学びの場が学校であり、その成長を披露する機会の一つに学校行事があります。
子どもたちが笑顔を見せるのは、単に楽しいときばかりではありません。できるようになったことを大人に認められたとき、子どもははじけんばかりの笑顔を、あるいは照れたような笑顔を見せます。だから大人は、子どもができるようになったときを逃さず、「すごいね」とほめることが大事です。
年を重ねると、新たにできるようになることは子どもほど多くありません。むしろ、いままでできたことができなくなります。わたしも若いころは少し走ったところで息が上がることはなかったし、定食で大盛りを頼むのも普通でした。気力・体力ともに衰えるのは年を取ることの必然であり、抗うことはできません。
だから大人は子どもの成長に心を動かされるのでしょう。これからどんどん成長していく子どもの姿を見て、大人も力を得るのです。子どもたちのもっと知りたい、学びたいという気持ちに刺激を受ける思いがするのです。「すごいね」と子どもをほめているときの大人は、その子どもに励まされているとも言えるのです。
伊東 達矢
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