伊東達矢校長ブログ
2023.08.09
遊ぶ子どもの声聞けば
サマースクールを実施している名進研小学校も、お盆の1週間はお休みです。子どもたちも教職員も、それぞれの家族や仲間とともに休暇を楽しみます。
家族旅行に出かける、早寝早起きの生活からちょっと外れた日を送る、何もしないでのんびりする…。休みの過ごし方は様々です。
子どもたちに「休みに何をする?」と尋ねると、「遊ぶ!!」と答えます。「遊ぶのは楽しい?」と聞くと、「楽しい!!」と即答です。そうです、遊ぶのは楽しいことです。楽しいから遊ぶのです。そして楽しいということ以外に何の役にも立たない時間が遊ぶ時間です。
遊ぶことにかけて大人は子どもにかないません。大人は遊びにも利益を考えます。その結果、これもしよう、あれもしようと遊びの計画を立てているときは楽しいのですが、せっかくの休みなんだからと勢い込んであれこれ盛り込みすぎ、かえって疲れてしまったということもよくあります。時間を浪費することに抵抗があるから、遊ぶことにも効率を求めるのです。
最も古く、最も深い遊びは、独り自然とたわむれることではないでしょうか。
虫を追いかけること、流れる雲をぼんやり眺めること、雨粒に震える木の葉を数えること、寄せては返す波音に耳を傾けること、四つ葉のクローバーを探すこと…。どれも効率や利得には無縁の遊びです。でもそんな時間は確かに楽しいものです。
いまの子どもたちの日常では、遊ぶのにも時間に制約があります。「ゲームで遊ぶのは1日30分まで」「宿題をすませたら遊んでもいい」「遊んでばかりいないで部屋を片づけなさい」など、子どもたちは日ごろそう言われています。遊ぶことは悪いことのようです。もちろん無制限にゲームをするのは目にも体にもよくないでしょうし、勉強だって片づけだってしなくてはいけないことでしょう。だからこそ、たまには時間を気にせずに独り自然とたわむれる遊びの時間が必要なのです。
子どもたちが無心に遊んでいる姿を見ると、後白河法皇の編んだ歌謡集『梁塵秘抄』の一節が思い起こされます。
遊びをせんとや 生まれけむ
戯れせんとや 生まれけむ
遊ぶ子どもの声聞けば わが身さへこそ 揺るがるれ
この休みには子どもたちにならって遊びにふけろうと思います。
伊東 達矢
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